31日間のキャンピングカーによるひとり旅を振り返ります。
特別な費用
キャンピングカーで31日間の旅をするうえで、特別にかかる費用はいくらか?
生きていくうえで必要な「飲食」については、北海道でも神奈川にいても同じように必要なので、ときに高価な地域の名物料理を味わうことはあっても、基本的に特別な費用としては計上しません。
宿泊費はもちろんゼロです。
となると、特別にかかる費用は以下に分類できます。
- ガソリン代
- 高速料金
- フェリー代
- 施設入場料
- 駐車場代
- 入浴料
- コインランドリー料金
- 土産物代
1.は31日間の総走行距離が約4,000㎞(うち、本州内移動、約550㎞含む)に対し、ガソリン代計は約52,000円でした。レギュラーガソリンの平均単価がℓ125円~133円くらいだったので、逆算すると燃費はℓ10㎞程度、予想通りでした。
2.高速料金は北海道ではゼロ。本州の首都圏内のみ使用して約8,000円。
3.大洗港ー苫小牧港:商船三井フェリー「さんふらわあ」:約21,500円、苫小牧港ー仙台港:太平洋フェリー「いしかり」:約18,000円。合計で約39,500円。いずれもGoToトラベル割引後の料金です。
4.網走監獄博物館、旭山動物園、旭岳ロープウエイ、北の国からロケ地くらいしか思い出せません。約4,500円。
5.駐車場が有料だとカチンとくるくらい、駐車するのにお金がいらない地域です。摩周湖、白金「青い池」、美瑛「四季彩の丘」、登別温泉地獄谷、支笏湖畔など、約3,000円。
6.フェリーの大浴場2回と車内シャンプーの日の2回を除くと、26日間分、単価550円として約14,000円。
7.期間中4回コインランドリーで洗濯。4,000円
8.甘味、乾麺、野菜、木製品、布製品など、約7,000円。(ちなみにGoToトラベルのクーポンが、帰りのフェリーチケットに付随していて、クーポン4,000円のうち2,000円を土産に消費)結局5,000円使ったことになります。
キャンピングカーのインフラ
旅を続けるうえで、キャンピングカーの居住空間内の電気・ガス・水道はどうだったのか。
1.電気:居住空間の電力はサブバッテリーが担います。この車のサブバッテリーは210Ahのキャパシティーがあります。Ah(アンペアアワー)という単位はキャンピングカー乗りなら誰でも知っている単位で、たとえば10アンペア(A)の電気製品を連続21時間(h)使うことができる(10A×21h=210Ah)サブバッテリー容量だということです。
最も電力を食うのもとしては電子レンジ、以下、IHクッキングヒーター、冷蔵庫、給水ポンプ、FFヒーター、テレビ、換気ファン、各種照明などの電化製品が備え付けてあり、そのほかスマホやPC関連の充電用電力を供給します。
一応、電圧計があるのですが、これがちょっと不安定で信用することができず、常に、最大値210Ahがいまどんな数値となっているのか、頭の中で計算しながら生活してました。
1回だけ、テレビを見ているときに電圧不足で電力供給がストップしたことがありましたが、それ以外は特に問題なく過ごすことができました。もともと電子レンジも冷蔵庫も使いませんので、基本的にテレビと照明しか使わなくてもいい時期だったのが幸いといえます。ただこれから寒くなればFFヒーターは必須ですね。
晴れないとソーラー蓄電が機能しないので、旅の途中で念のため、ヘッドランプを購入しました。なんといっても灯りのない夜は耐え難いものがあります。
今回は、まだ恵まれた気候だったといえます。
今後は電力キャパシティーを頭の中で計算するのも疲れるので、Bluetoothで電流・電圧の入出をリモート監視できるシステムを購入したいと考えます。
2.ガス:調理に使うのはカセットコンロ。朝のコーヒーの湯沸かしと、時々やる自炊だけなので、ガスカートリッジは1本で済みました。
3.水道:車には生活用水としての60ℓタンクと、飲水用に20ℓタンク、それら2つを受ける50ℓの排水タンクがあります。今回は今まで使わなかった20ℓタンクを生活用水のために使いました。生活用水とは洗顔、食器洗い等に使うもの。すべて、ガソリンスタンドでガソリンを入れたときに、ついでにタダで水を分けていただいていました。スタンド従業員の皆様にはいつも快く対応いただき、ありがとうございました。なお、飲み水や調理用、歯磨き用は事前に購入した2ℓペットボトル1ダースを使い切り、コンビニでの2ℓペットボトル購入で補填しました。
心に残ったこと
1.音楽
ひとり旅に音楽は欠かせません。時代遅れとなりつつあるipod touch、それも128ギガ容量、を買って持って行ったのが良かった。幼少より聞いてきた音楽がほぼすべてこの中にあります。走行中はもとより、夜中の車内でボリュームを落として聞き入り、しみじみと来し方の人生(ファーストライフ)を振り返る、いい機会となりました。ちなみに旅の前に作成したプレイリスト「北海道」がヘビーローテーションとなりました。
★プレイリスト「北海道」
- 函館の女
- 恋の街札幌
- 北酒場
- 小樽のひとよ
- 石狩挽歌
- 襟裳岬
- 霧の摩周湖
- 釧路の夜
- 北の国から 遥かなる大地
- 北の国から 純のテーマ
- 北の国から 蛍のテーマ
- 知床旅情
- 宗谷岬
- 岬めぐり
- 旅立ち
- 銀の雨
- 季節の中で
- 人生の空から
- 恋
- 鴎という名の酒場
- アザミ嬢のララバイ
- わかれうた
- ヘッドライト・テールライト
- 落陽
2.匂い
道東、道北の海岸沿いは、片方が何もない海、もう片方は牧草地、というのが典型的な風景です。ガソリンスタンドに寄る時、道の駅で降りるとき、圧倒的に漂っているのは牧草地の匂いです。圧倒されます。牛の匂い、糞の匂い、土の匂い、草の匂い、混然となり、どこでも同じように大気を支配しています。
3.人の手を加えた自然
空気が澄んでいるせいか、空が青い、海が青い、大地は緑。様々な「絶景」に出くわしました。エサヌカ線の一直線の道路と、その両側の牧草地の緑は、羊雲が浮かぶ青い空と交わるところまで広がり、日本とは思えない景色でした。でもこれが「自然」なのかというとそうではなく、酪農家の皆さんが丹精込めた、人の手を加えた美しい牧草地あっての景色なのです。また、稚内丘陵の「白い道」も、莫大な量の貝殻を道路に敷きつめ、あり得ないコントラストを作っているもの。美瑛の丘に至っては、代々の農家の皆さんが、もしかしたら畑としては不向きな、アップダウンがありすぎる場所を、丹念に耕地にしていった歴史のあと、と言えます。
全くの手つかずの自然と、本来は対極にある、人の手が加えられたもの。これももはや「自然」に同化しているのが北海道の特徴でしょうか。
反省点
1.気候
出発するときはほぼ真夏。短パンに半袖Tシャツでフェリーに乗り込みましたが、上陸した苫小牧は、はや17℃。ナメてましたね。あわててユニクロでフリースを買う羽目に。北海道は関東より1か月以上、季節が進んでいるようです。旅行期間を1か月とするならば、出発はもう1か月早く(8月中)にしたほうが良かったかもしれません。
2.行程・計画
行き当たりばったり、というと何やら魅力的な響きですが、完全な無計画の旅というのはあり得ないと思っています。今回、どこをどう回ろうかと、事前に考えていたことは、道東の東のはずれまで行ってみること、オホーツク沿岸をもう一度走ってみること、人気の美瑛・富良野に行ってみること、くらいです。スケジュール(行程)としては前半の2週間のうちにてっぺん(宗谷岬)に到達すること、くらいです。
前半は確かにガンガン走り、13日目に宗谷岬に到達、20日目までにはど真ん中の富良野を探索できました。では、その後はというと、これがほぼ無計画だったので、その都度、明日はどこへ行こうか、を考える日々でした。
楽しいといえば楽しい方法ですが、やはり、おおまかでも全期間の行程を決めておくべきでした。
3.風呂
キャンピングカー雑誌をみていると、日本はいたる所に温泉や銭湯があるのでそれを利用しよう、と書かれています。実際、各地の素晴らしい入浴施設を使わさせていただきました。でも1か月ともなると、結構かさむのよ、風呂代が。またそのために時間も取られるのね。
ZILシリーズは基本的にシャワーがついております。私の愛車も水ならシャワーを浴びることができます。(この場合60ℓタンクに水を入れてく必要があります)あとは温水にすれば解決ですね。エンジンの熱交換でタンクの水をあたためるボイラーがオプションであります。約10万円だったか。エンジンを切った後なら使える温水シャワーですが、検討には値するものと考えます。
4.WiFi環境
モバイルWiFiルータを35日間レンタルしていました。ケチって、料金の安い「1日当たり1G(ギガ)上限付き」にしていましたが、これは失敗でした。DAZNでプロ野球中継を見る、ブログ用に撮った写真をPCにアップロードする、と、あっという間に1Gを越えてしまいます。特に夜中、写真をいじっているうちに上限到達して作業を翌日に回した日が何日かありました。
ここはG無制限、またはレンタル期間中35GまでOK、等にしておくべきでした。
5.コーキング
天井からの雨漏りが1回。その他にも豪雨の日があったんですが何とか持ちこたえました。車体の傾きで左右されるのか、わかりませんが、ひとまず雨漏りが1回のみで胸をなでおろした次第。
特に自分でやっている目止め個所は、樹脂ゴムの「ひび」を見ていると2年が限界かな。サボらずやらないといけませんね。
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