キャンピングカー アルプスを愛でる3 甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳を愛でる

キャンピングカー
見たことのない稜線を目指して
3日目 2022年7月23日(土)

昨晩、真っ暗な駐車場で考えた。

朝5時半に始発のバスが出る。シーズン中の土日臨時便。バス停には数百名が列をなし、バスは何十台も増便されるという。

山男山女のパワーおそるべし。朝4時台に起きて髭剃って歯磨いて登山靴はいて並ぶか?

いやいやそこまで登山フリークではない。なにしろここから攻めるは甲斐駒ヶ岳または仙丈ケ岳。いずれもが百名山、3000m級であって、トーシロがひょいと登頂できるものではないと思う。

朝4時に起きて5時半の始発に間に合い、どちらか一つを登頂して戻ってぎりぎり最終バスで帰ってくるという選択をもちろんできる位置にいる。次のバスは通常便で8時発、どうする。

やーめた。

より穏やかな仙丈ケ岳を目指すとしても単純に往復7時間半以上、休憩を入れたら8時間。こんなに長く登山した経験がない。1000m登って1000m降りてくる、1日じゃとても無理。仙丈ケ岳を見張らせるところまで登ることにします。

目標、小仙丈ケ岳2864m。

8時のバスに乗り、終着地点から登ること830mになります。

係員の人が言うように、暗くなってからひっきりなしに駐車場が混んでくる。エンジン音は平気だが、ドアを閉めるバタム、という音だけは目が覚めてしまうのです。

5時ごろから起きていて、車の窓からバス停方向を見ていました。まーバスが来る来る。

どうも5時半の次が8時ではなく、何十台もの増発便がピストン輸送しているようだ。

しからば8時を待たずして6時40分、車を後にする。

血気盛んなフリークたちはどちらにせよ5時半以前並び組、そういう人たちはもういないだろう。

トイレを済ませて列に並びます。どひゃー

まだこんなに人がいる。

昨日の夜作ったおにぎりを並びながら食べます。つくりが下手だ。

バスは行って帰ってくるのに1時間半かかります。バスは33人乗りのマイクロ形状。今日は38台でているとのこと。

しかしそれでも追いつかない。

朝日が熱い。座ってお待ちください、といわれて既にへたり込む人々。

ようやく乗れました。7時50分。そのころには列も残り少な。これならぎりぎりまで車で過ごして8時を目指して車を出た方がよかったなあ。

終点、北沢峠着8時40分。

道をはさんで左は仙丈ケ岳、右は甲斐駒ヶ岳の登山口。

登山開始8時45分。

まず1合目までが長い。3000mの登山はこんなに急なのか。

とがった岩と木の根に足を取られないよう慎重に進みます。もちろん若者には喜んで道を譲ります。

心臓バクバク。下りを考えると恐ろしい。

バクバクのまま2時間が過ぎ、ようやく5合目で大休止。

それからも急登につぐ急登。頭にあるのはこの森林限界を突破するまでは意地でもやめられぬ、の一念。

ストックを登りにも使うんだと思い至りました。短めに調節して、足力だけでなく、腕力もフル動員して63㎏の体重を上方に押し上げます。

30分すぎ、ようやく森林限界を抜けました。

突き抜ける爽快感、これぞ高山の魅力。

雲に頭は隠れていますが、登ったルートの逆方向にもう一つの百名山、甲斐駒ヶ岳があります。

おっと、うかうかしているとこちらもガスが忍び寄ってきている。

前方には今日のゴール地点、小仙丈ケ岳てっぺんが見えます。

高度差200mってとこか。高い樹木はないけど、その分高度感がわかる。

しかし巨岩の連続だ。今しがた爽快感を味わった地点が小さく見える。

景色はいいけど、依然、心臓バクバク、立ち止まって息を整えているのはおっさんばかり。

やっと到着、小仙丈ケ岳頂上2864m。時刻11時40分。コースタイムの3時間をわずかに切りました。なかなかやるな、自分。

しかし普通の人は、この地を休憩地点として、さらに170m上の仙丈ケ岳頂上を目指します。

正面のピークまで高度差はあまりありませんが、尾根伝いに1時間も歩くことになります。そもそも最終バスに間に合わないのでここで眺めるだけにします(太ももの筋肉も限界を超えています)。

昼飯。

しかし今なお仙丈ケ岳に登る人はピークの山小屋「仙丈小屋」に予約しているんでしょうな。そうでなければ遭難だ。

さて12時15分に下山開始。

もう登ってくる人はほとんどいません。下りの人もちらほら程度。

予想はしていましたが、これがキツイ。なんでこんなところに尖った岩があるのよ、なんで足が引っかかる根があるのよ。なんで滑りやすい角度に砂利があるのよ。

ストックが無かったら、骨折の一つはしていたかも。

しりもち、というか、手をつく転倒もどき1回、バランスを崩すこと200回。若者に道を譲ること50人。ほうほうのていで2時15分、北沢峠着。はー、これでもコースタイムは切って2時間でおりてきたのか。足にマメ一つなく下山できたのはうれし。

運よく、14時30分発の臨時バスに乗れました。今乗っているのは間違いなく5時半組の屈強な人たちです。

15時10分、仙流荘着。

下界の暑いことよ(といっても標高800m以上あります)。

仙流荘の風呂も魅力でしたが、とにかく疲労困憊。やはり最もくつろげる道の駅こぶちさわに帰ろう。

1時間半で道の駅へ。

延命の湯、気持ちいい―。浴室を歩くのもかったるい。もも、ふくらはぎを入念にマッサージ。

続いて本日はじめての普通の食事。中華料理店「龍淵」。

南アルプスを遠望できます。

まずはこれ。

そして餃子と海老レタスチャーハンで腹を満たしました。

ほんと、トイレ行くのもかったるい。

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