2024年1月7日(日)~1月9日(火)
いままで同居人家族について触れてこなかったが、これは書き留めておかねばなるまい。
娘が新しい職場に選んだのは高野山にある寺院での宿坊関連事務、1月7日から住み込みで働くことにしたという。告げられたのが年末12月29日。夫婦そろってソファからずり落ちるほど驚いた。
さすが私の娘ともいえる。興味のあることに距離は関係ないのか。満員電車での都心往復は疲れた、というのも初めて聞いた。
引越し荷物は段ボール宅配だけでも済みそうなものだが、テーブルなどはさすがに無理。私の乗用車で人も物も送り届けることにした。
1月7日(日)
送ってやると大見栄を切ったものの距離は500㎞以上ある。近頃はもっぱらキャンピングカーでのゆるゆる走行で一般道中心に一日200㎞までに抑えてあって、長距離高速走行は妙に緊張する。雇用先には16時をめどに訪問するとのことで7時に出発。父娘の珍しい二人旅である。
新東名は3連休の中日だからか、恐ろしく空いている。
掛川SAで休憩。空青し。
東名から伊勢湾岸道へ、依然、恐ろしく空いている。
御在所SAで昼どきとなり、さすがにEXPASAだけにフードコートも混みだして、車中でテイクアウトの昼飯。
全くのノーストレスで時間も稼げたので、あまりに早く着いてしまうのも失礼かと、ちょくちょく休憩を入れる。
これは亀山SA。
東名阪国道から奈良県に入って京奈和自動車道。「けいなわ」って、なんでもつなげればいいってもんじゃないぞ。片側1車線の、基本的には無料の高速道はありがたい。
紀北かつらぎICが閉鎖中なので手前の大野ICで降りる。んーまだ早い。セブンイレブンでコーヒーなど飲んで時間を潰してから山へ。
2021年3月にキャンピングカーで14日かけて和歌山を探索して以来、高野山は約3年ぶりか。
標高800mを越え、雪も樹木に残るほど寒いみたいだ。
大門を右折すると高野山の天空の町が突如として現れる。
目的の寺院に到着したのが15時30分。
あの金剛峯寺のすぐそば、なかなかいい門構えしてるじゃないか。
気温は氷点下、さむいーーーー。
車をどこに着けたものか、娘が寺の人を呼びに行ったものの帰ってこない。
そして誰もいない、と。
電話しても留守電になっているという。
そんなはずはないやろ、到着は早いほどいいと言われてたんじゃなかったのか。私も捜索に参戦。
表門も裏口もすべて開いている。ただ人の気配がゼロなのだ。呼び鈴はもちろん応答なし。
そのうち雪が降り出した。あっという間に道路も瓦屋根も植え込みも真っ白に。やばいなー道路も凍り始めると下り坂が滑るなー。
16時30分。
いくら何でも失礼だろ。こうなったら広い建物内の奥へ奥へずかずかと入り込み遠慮なく探索を続ける。
どうやら事務所らしい部屋を探し当て、これも遠慮なく押し開いたところ、なんとなく暖かい空気があった。2台のPCのうち1台がつけっぱなしになっていた。(個人情報管理大丈夫か???その前に防犯対策は??)
17時10分。
到着日時の打ち合わせについて娘の認識では絶対自信があると言っている。とすると寺の人事採用者の日付記憶違いか?(HP上では1月10日から宿坊宿泊開始、その受付が1月8日からとなっていた)
辺りは既に暗く、寺のメールに来訪の記録を残して一旦撤収しかないと判断した。
山を降り、近くの橋本市内のビジネスホテルへ。私が一人で停まる予定のところ、もう一部屋シングルを追加する。ルートインホテル橋本。
今後の作戦会議は併設の居酒屋で。
しかし不可解な話だ。
まさか採用自体がなくなったんじゃないよね、とか、もう、いっそのこと荷物を下ろすことなくこっちから見限って横浜に帰るか、など。会議するほど大した作戦はなく、寺側の過誤しか考えられないと結論。とにかく明日朝、再度電話するしかないのだろう。
ところでシングル料金は朝食付きで@8,000円と近隣に競争相手が少ないのでお高め。新しくとてもきれいで大浴場付きはうれしい。
1月8日(月)
朝食会場に8時集合。
なんと、昨晩22時に娘のケータイに連絡があったそう。やはり寺側は今日来訪を受けるものと勘違いしていたらしい。前泊の料金も支払いますとのことらしい。
しょーがねえ。許してやるか。
山を登って10時過ぎに寺に到着。
車は境内まで乗り入れてくださいとのこと。
娘の簡単な面談の後、荷物の搬入。といっても大型台車1つに全部乗るほどの量ではあるが。
女子寮として独立した建物だから男子禁制。まあせっかくお父様がご一緒なので特別に立ち入り許可すると言われる。当たり前やろ、と心で思い、目力だけで抗議するにとどめた。
あっという間に荷物搬入終了。建物は広大でどこがなんやらわからん。スリッパも履かないと足裏が冷たいのなんのって・・・。私には務まらんわ、この場所。
住職がもう少しで来ますがお会いになりますか、と問われるも、子供の付き添いではない。娘も早く親に退出してほしかったようで、辞去。
今日は雪は降らないようだ。
長く勤めるのか、まあこれからのことは何とも読めぬが、頑張れとしか言いようがない。
これは金剛峯寺。
寺の密集地帯を過ぎれば土産物屋、飲食店もそこそこある。それをさらに進めば奥の院。世界遺産で働くかーーー。つくづく私の娘らしい。
昨日のごたごたがなければ、今日はゆっくりと一般道での帰路を考えていた。昼近くなっちまった今では、やはり高速道路だな。
しかし山を降りても寒いな、紀伊半島。
これは東名阪国道沿いにある道の駅「針テラス」。何でもそろっている優良な道の駅としていつかキャンピングカーで車中泊したいと思っていた場所。
朝の無料朝食が効いているので軽くラーメン。
この後、伊勢湾岸道路から東名高速へ、久しぶりに旧東名を使う。
これは赤塚PA。紀伊半島だけでなく超快晴の名古屋以東もクソ寒かった。
頑張れば自宅まで走りとおすこともできるが、ある目的のため、本日は静岡の掛川市でビジネスホテルに一泊。早く帰る必要がないのが自由人のいいところでしょう。
バジェットイン掛川。朝食付きで5,300円。東海道沿線だけに競争原理が働き、地域のホテル相場は安いようだ。
夕食はないため、市内に車で出向いてファミレスへ。
実はホテルから徒歩圏内にハンバーグで有名な「さわやか」があったものの連休最終日の混雑を避けた結果である。そして対抗して?ハンバーグを食したのである。
昨日の8,000円に比べるとかなり見劣りするのは致し方ない。古い。ベッドだけは幅140㎝とアメリカンなのが救いではある。
一人には慣れている。今日ばかりは午前中まで一緒にいた家族への慕情をかみしめて眠りにつく。
1月9日(火)
向かいにルートインが見える。掛川は5,000円くらいと、橋本よりずっとリーズナブルらしい。
いつからか、朝食がビジネスサラリーマンへの過剰な経費とみなされたため、ホテル側が便宜を図らって朝食はあくまで「サービス」なのです、宿泊費以外は頂いておりません、と打ち出すようになった。それからこの「サービス」も増幅し、中には宿泊費5,000円のところ7,000円を頂戴して領収証を切り2,000円をキャッシュで宿泊者個人に返礼します、という妙な「サービス」も行うようになった。なんだかなーーーー。
ところで今日の「ある目的」というのは、静岡市中心部に、かのプラモデルの世界一企業である「田宮模型」本社があり、社内の見学もできるということを知り、これは行くしかない、と。
タミヤ大好き人間だもの。
初めて来たけど、なんかやっぱりタミヤらしい外観だ。
予約制となっていて、私は12時~13時の組。まずは歴史館から。
そういえばタミヤに限らずプラモデルの箱の絵って美しい。廊下にいくつか展示されている。
小学生の頃のあこがれ、ホンダのナナハン、ホンダドリームCB4。値段も高くて手が届かなかった。
で、歴史館。
これは興奮するわ。
私的にはミニ四駆などは一切興味なく、ミリタリーを主としたスケールモデルの歴史に心が躍る。
やはり戦車モデルこそタミヤの主力中の主力なのだろう。完成品も箱も展示数の多さが物語っている。
下の2つの戦車は感慨深い。左側、中学生の時に作ったKV1は冬季仕様で白の迷彩塗装をした自信作だった。
ジオラマは技術的にシロートが入り込める時代でなく、やがて高校生となりミリタリーは興味の対象から外れていった。
クルマはF1のみ作った。小学生の時のホンダ(下の左)は何ともシンプル、中学生の時のタイレルフォードはエイのような奇抜なフォルムだった。1/12のビッグスケール。
バイクは懐かしのダックス(下左)とナナハンの白バイ(下右・箱のみ)。1/6のビッグスケール。
なるほど歴史館だ。50年ほど前にタイムスリップする。
ショールームには完成品の数々が・・・きりがないので写真は厳選し過去に私の作成したものだけを載せておく。
ショップもこじんまりとあり、限定Tシャツとタンブラーを購入。
ありがとう田宮模型。
この冬は購入して未着手の米海軍「コルセア」の作成に挑むとしよう。
今日こそ時間もたっぷりあるので一般道で横浜へ。
妻は新潟に行っており、がらんとした我が家に着く。
夫婦二人の生活が始まる。
娘が寺に早々と嫌気がさして、また3人の生活に戻ってもそれはかまわない。
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