北アルプス稜線を見る旅
2日目 2023年7月18日(火)
朝5時くらいから周囲のクルマがざわざわする。結局夜の早いうちにこの市営第一駐車場は満員御礼となり、遅く来た人は第二・第三駐車場行きを余儀なくされたことでしょう。
500mほど歩いた先に燕岳登山道入り口があり、自由な時間で登山をスタートすればよい。
また燕岳はいわゆる「パノラマ銀座」といって、槍ヶ岳、穂高連峰を横目に縦走できる人気コースの起点となっているため、私のように燕岳山頂を目指さず、パノラマに向かう人もいます。皆6時には出発したようです。
私は5時間の山登りで燕岳山頂、そして直下の山小屋「燕山荘(えんざんそう)」に1泊の予約を入れているため、のっそり7時ころ出発としました。
登山道入り口は中房温泉施設の少し手前。トイレがあります。山ガールいや山オバンそして山オトン集結。
私も新調したMammutの30ℓザックをきりりと引き締め出発です。
いきなり急登です。
北アルプスの三大急登の一つと言われています。しかし難易度は初級コース。なんでや?
登山道が非常によく整備されていて、途中、何か所も休憩所がはっきりと設けられているところが初級のゆえんらしい。これは第1ベンチ。ここまで来るのに大汗。
つづいて第2ベンチ。
ここまでの標準コースタイムは1時間10分。やや遅れてるな。
第3ベンチ。ここから先、一番の難所なのでやや多めの休憩。
旅立つ直前のNHK「百名山」で紹介されていた行動食の「はちみつ梅」。これが旨いのなんのって。塩と酢、体に染み入ります。
富士見ベンチ。ガスが出始めているため、富士山を拝むこと叶わず。それより心臓がキツイ。
やっとたどり着きました、最大のベンチマーク、
「合戦小屋(かっせんごや)」。ふーーー。
ここでの名物は有名な「すいか」。
ほとんどの人が注文する、一切れ500円。
これまでアクエリアスを大量消費していながら、すいすいと入っていく「すいか」。スポーツ飲料の原点はすいかじゃなかろうか。
確かにこれだけ休憩を挟んでいるから三大急登も高齢者OKなのでしょう。
ただし、疲労蓄積はごまかしようがありません。だんだん足をあげるのにひと苦労になってきます。
合戦沢ノ頭、というスポット。あと1/3強。正面にはパノラマ銀座の山々が見えるはずですが・・・ガス。晴れ予報なのにガスかよ。頂上に立つことよりも頂上を遠望するのが目的なのに。何のためにヒーコラ登ってんだオレ。
花でも撮るか。
と、突然ガスが切れ、彼方に燕山荘が。テンション再びあがります。
燕山荘へのひと登りを終えると突如大展望。こいつはすごい。
いわゆる「裏銀座」の大屋根が神々しい。右に1キロとの表示の先は、
今回のピーク、燕岳。北アルプスの女王といわれるだけあって、美しい。
到着は12時を過ぎていて標準タイムを大幅オーバー。
左を見やれば・・・槍ですよ。こちらも神々しい。
やっぱり王様は、槍、ですな。
右に女王の燕岳、正面に裏銀座の峰々、左に大天井岳、常念岳、槍ヶ岳へ続く稜線が一望できます。疲れも吹っ飛ぶわ。
燕岳に登る前に、本日のお宿「燕山荘」にチェックイン。
60ウン歳になるまで山小屋というものを知らず。ドキドキものです。
1階2階に分かれた大部屋。1階は3人、2階は2人寝るスペースがある。
1階の端を案内されました。逆側に先客があり。平日なので真ん中はあいているようです。
コロナ禍より大部屋にもスクリーンカーテンが設置されたようで、するする引き下ろせば畳一畳のカプセルホテル的な個室空間になります。
荷を下ろし、燕岳頂上は曇りそうにないことを見越して昼飯を食うことに。
腹がすいかとアクエリアスでガボガボなのでやさしい山菜うどんを。えーと900円くらいだったか。
腹ごしらえして燕頂上アタック。
ここで大きな忘れ物。頂上アタック用の小さなリュックを持ってこなかったことに気づきました。えーい片道30分、1㎞の往復だ、手ぶらでいったれ。
珍しい光景です。変わった形の岩が突出していて砂礫の茶色がまぶしい。
いくつかの名所のひとつ、
イルカ岩(後方に槍ヶ岳)。
燕山荘方面を振り返ると、
大天井岳に続く尾根の連なり。気持ちよさそうな稜線。
燕の山頂が近づいてきました。
岩のプリンみたい。ここが山頂です。
山頂は一方通行で降りるとぐるり西に巻いて下がります。
北にはさらに「北燕岳」が。
さすがにそこまで行く体力はありません。
この時期の代表的な花「コマクサ」、可憐にそして大量に咲いています。
またまた振り返れば、きれいな山頂ですな
こちらメガネ岩、なんていわれている名所。
斜面の砂礫に根付いたコマクサと、
これは何という名の花でしょう。まきのとみたろうさんなら何でもわかるんでしょうね。
1時間で燕山荘前へ戻りました。山小屋の隣にはテントスペースもあり。
こちらは屈強な山屋用か。
おつかれさんビール。800円。染みまくる。
初めての山小屋。
夕食時間が17時からと、めっぽう早い。少しうとうとするともう時間です。
メインはハンバーグ。いいバランスの食事です。
久しぶりの集団での食事。修学旅行みたい。(写真ボケちゃってます)
山小屋の一番の特徴は風呂がないこと。
どうせ汗を流せないんなら着替えてもしょうがないだろうと、
大汗かいた上下そのままで一泊を過ごしました。何とも気持ち悪いーーーー。どうやら皆さん風呂はないものの着替えはしている様子です。うーん、すっきりするのだろうか、まあまあ参考になりました。
17時夕食と18時夕食があり、それが終わるともはや就寝モードに入ります。床に就く前の名物、余興のホルン演奏は今日なないみたいです。
夕日が沈むのを待つ人々。
消灯が20時半という、病院よりも早い時刻。
いやー衣類を着替えないのが気持ち悪いーーー。3000m級の大気は冷たく、布団をかぶって汗かきの体を温めるのに時間がかかりました。19時ごろから床に就いていたなあ。そんなに早く眠れるもんじゃないよなー。特に日中5時間もゼーハーと心臓と肺を酷使した影響は収まらず、脈が速い興奮状態が続くのでした。こんな日はロクな夢を見ませんわ。
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