秘境小笠原・母島でどうする 14.日本一遠い島・母島から26時間の船旅を終える

ロングステイ
最終日 14日目 2023年12月1日(金)

行くときはめったにない大しけ、帰りは・・・しけではありませんが、やはりそこは外洋、ロール&ピッチはそこそこあって、寝ていてなんとなく気持ち良くもあり、例えるなら羊水の中の赤ちゃん?知らんけど。

洋食Bセットの朝メシ、500円。やはりルシエルにはかないません。

八丈島近海を通過中。八丈島も興味あるなあ。島の引力圏ではときどきケータイの圏外が解かれます。多少のうねりはあれど気持ちのいい朝です。

娘から借りた三国志(北方謙三)文庫本全13巻のうち5巻を持ってきていました。島でTVも見れない、ネットもつながらない最悪の場合を想定して。

それらは杞憂に終わり、時間を持て余す事態がなかったので1巻も読み切っていません。午前中も読書三昧することで何とか3巻目に手が届いたところ。

あと、この環境下で威力を発揮するのが「数独」。よく新聞雑誌などにも掲載されています。いつも難易度ランクが最高クラスのものだけを切り取ってやっています。決して数独の達人ではありません、むしろ逆。最高難度になると解くのに2時間や3時間はかかってしまうのが好都合なのです。

途中からあわてて撮った昼メシのあんかけ焼きそば1,300円。

伊豆大島沖を通過する前から、房総半島が見えてきました。

東京湾に入ると船は極端にスピードを落とします。時速20㎞くらい。東京湾で突っ走ったらいつも乗る釣り船あたりは横波を受けて危険になるからなのだろう。

14日間、思い返せばいろいろな人に出会いました。そのうちの3人について記しておきます。

・林野庁ボランティアの女性 1航海のMさん

  ルシエル宿泊者。島の外来種の植物が母島固有種植物の生存を脅かさないように伐採するために来ていました。もちろんバケーションも兼ねてのことでしょう。シュノーケリングもやられていたようです。本業の方はリモートワークで時間を見つけてはPCに向かっておられました。ただし船代も宿代もでないからボランティアなのだと。本業が休暇中なのか、就業中なのかはわかりません。植物を扱うということは同時に動物や昆虫などの生態の知識も必要で、生半可な決意ではできるものではないなと感心しました。金髪。

・ルシエル店員の女性 Iさん

  てきぱきキビキビと宿の仕事をこなすお嬢さんだな、と見ておりました。偶然、昨日が宿での最終就業日だということで、島を離れる日なのでした。一昨日、宿の料理人が厨房で大量の揚げ物等オードブルとして作っているのを見て何に使うのかと思っていたら彼女の送別会用だったとか。島で宴会ができる店はありません。尋ねたらこの手の場合、役所のスペースを借りるのだそうです。てっきり島の人かと思っていましたが福岡市出身、当面東京に滞在したのち福岡に戻るという。職業としては旅に関わるもの、ツアーコンダクターの仕事が長い。頑張ってください。

・今回のミッションにおける私のバディ(相棒)男性 Mさん

  私の8歳上の人生の先輩。見ず知らずの人と14日間の行動を共にするわけで、どのような方かと若干の不安もありましたが実に明るく魅力的な方でした。1日だけ、協働でミッションをこなしましたが、あとの日中はまるで自由でお互い干渉せずを貫き、ルシエルでの朝食、夕食にじっくり時間をかけて様々なジャンルの話題で語りました。なにせ毎食同じテーブルで向き合って食べるわけですから・・・。驚いたのは健脚。私がレンタルバイクで疾走した道を彼は歩くのです。小富士・南崎までならまだしも、北港となると、往復20㎞を軽く超えて歩数3万歩超え。平地じゃありませんから、舗装道路でもアップダウンばかりの道です。北港の復路は建設業者の車に拾ってもらったそうです。歩く人はまず見かけないので心配になったのでしょう。もう一つの特徴は老若男女問わず話しかけられるという特技。宿の老オーナーからお巡りさんまで「人たらし」というのでしょうか。一つの才能といえると思います。私もそのうちの一人か、楽しい語り掛けに感謝しています。

おがさわら丸で訪れる人は、のほほんとした観光客は少ないようです。例えば釣りに来る人はプロのようなかなりの手練ればかり。あとは国や都の職員、離島専門に旅する人、絶対何もしない人、などなど。

さて、レインボーブリッジも見えてきました。

Mさん、Iさん、Mさんとも東京竹芝埠頭でお別れ。

埠頭を渡る風はそんなに寒くない。

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